佐賀にあった映画館跡を訪ねるシリーズ。
今回は、多久市東多久の映画館跡を調査しました。
東多久駅の駅舎です。
東多久駅は唐津線の駅で、無人駅となっています。
一瞬、誰かかがベンチに座っていると思ったら銅像でした。
これは、志田林三郎という東多久出身の人物の銅像です。
現東京大学工学部の第一期生で、
主席卒業して日本初の工学博士になった人との事です。
明治21年の第一回電気学会で、
テレビや携帯電話を予見した演説を行ったというから、
驚くべき先見の明の持ち主だったようです。
こんな人物が佐賀にいたとは知りませんでした。
この時、長谷川町子生誕100周年記念として、
サザエさんぬり絵が展示されていました。
時刻表の右側に貼ってあるのが、そのサザエさんのぬり絵です。
なぜ長谷川町子生誕100周年なのか?
実は、東多久出身だったからです。
これも知りませんでした。
駅舎内には、こんな写真が展示されていました。
昭和23年の大盆綱引という行事の時の記念写真です。
戦後間もない頃ですが、町には活気があったであろう事が窺えます。
東多久駅のホームです。このローカル感が魅力です。
駅前は、結構広い広場となっています。
ここをまっすぐ進むと、国道203号線の交差点です。
現在バイパスを通ることが多いので、
この旧道は、ほとんど通ることがありません。
かなり久しぶりにここにやってきました。
ここが国道203号線との交差点です。
この交差点付近に、多久別府映画劇場という映画館があったようです。
あの大きな建物は、かなり古いですが元映画館ではなさそうです。
交差点付近には、昭和からの古い建物が残ってはいますが、
映画館らしき建物は、確認できませんでした。
1973年以前閉館と、閉館から50年ほど経っているので、
すでに建物は無くなっているか建て替わっていると思われます。
それ以外にも2館あったという事なので、
痕跡を探してみます。
交差点の近くにあった、元バイク屋です。
バイク屋と言っても、こんな個人のバイク屋は、
だいたい自転車屋も兼ねていました。
外れた看板の文字が、物悲しさを誘います。
さっきの交差点を東に向かって歩きます。この辺りは、昔の街道のような雰囲気が残っています。
大きなクリーニング店です。
かなり昔から営業していそうな老舗店でしょうか。
この近くに家族館と言う映画館があったようですが、
それらしき建物は確認できません。
近くにこんな空き地がありますが、
もしかしたらここに映画館があったのかもしれません。
1966年以前に閉館との事なので、すでに閉館から50数年経ち、
建物はもう残ってない可能性が高いと思われます。
さらにその近くにもう1館東多久東映があったようですが、
こちらもそれらしき建物は分かりませんでした。
こんな空き地が何か所がありますが、
映画館跡地かどうかは、わかりません。
東多久東映も1966年以前に閉館しているとの事です。
それにしても、駅前の交差点から東へ数百メートルまでの間に、
3館も映画館があったという事が驚きです。
現在この付近の商店は大半が閉まっていますが、
映画館が3館も存在していた、
60年前の町の雰囲気はどうだったのだろうと、
道路沿いを歩き回りながら想像するしかありませんでした。